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中東、サウジアラビアの文化習慣、ワーホリなど海外での異文化体験を書いています。

ハラールって何?|ハラール認証を取得しておくメリットは?

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レストランのテーブルの上の盛り花とパンが入ったかご
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サウジアラビア在住35年以上。孫沢山のアラカンです。アフターコロナの観光に最適。コロナ感染者は、99%減少。今まで観光ビザが発給されてこなかったので、未だに世界に知られていない世界遺産が6つあります。ただ観光地としての認知度が低いので、旅行するには、ちょっと気が引けるという方のサポートをしています。
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最近、話題になっている「ハラール」っていう言葉を聞いたことがありますか?

あるいは、「ハラール認証」マークって見たことがありますか?

ハラールをアラビア語で書くと以下のようになります。

ハラールマークの画像

ハラールフードのマーク

 

読み方は、正確には、Halaal(ハラール)となります。

上のようなアラビア文字で書かれたマークを、スーパーで目にしたことがあるのではないでしょうか。

筆者は、サウジのスーパーで買ったヌテラのチョコで見つけました。

子どもたちが大好きなチョコレート「ヌテラ」のラベルの後ろにありました。下の写真の右下にあります。

ヌテラについているハラールマーク

このヌテラチョコの製造年月日は、2019年10月になっています。

イスラム国家の湾岸諸国(GCC)以外の国からの輸入品については、このようなハラール認証マークが必要になります。

このハラール認証は、1年か2年の有効期限があり、随時更新しなければなりません。

この記事では、「ハラール」と「ハラール認証」について簡単に分かりやすく解説しています。

ハラールやハラームって何?

「ハラール」と「ハラーム」は、言葉が似ていますが、意味は真逆です。
ハラールは、イスラム法において合法であり、ハラームは、その反対の非合法を意味します。

ハラールかハラームであるか否かは、食べ物に限ったことではなく、※ムスリムの日々の生活、物事一般に影響しています

ハラールであるか、ハラームであるかを決める決定権は、アッラーのみであります。

ハラールかハラームか判断がつかないときは、避けるべきであります。

※ムスリムとは、イスラム教徒を指し、正確には、男性名詞がムスリムで女性名詞がムスリマになります。

どのような状況がハラームなのか?

イスラム教徒は、豚肉やアルコールを食すことが禁じられています。なので、故意に豚肉やアルコールを食べることは、ハラームに該当します。

また、たとえば、親に向かって大声を出して怒鳴ったりすることもハラームです。

他には、動物をいじめたりするのもハラームといいます。

友達同士のケンカやいじめもハラームに該当します。

他には、イスラム世界では、ギャンブル、高利貸し、利子、同性愛、婚前交渉、不倫などもハラームになります。

道徳的なことや一般常識からかけ離れ、禁じられたことをした場合にハラームを使います。

また、ハラームなものをハラールと捏造する行為はハラームに該当します。

そして、そのハラームな行為をする人を手助けする事もハラームになります。

ハラール認証とはなに?

ハラール認証とは、対象となる商品がハラールかどうかを認定する機関の監査を経て、その商品がハラールであるときに与えられる称号です。

この記事では、ハラールな食べ物とハラール認証について説明しています。

イスラム法においてハラール(合法なもの)な食べ物とは、日常の食生活において豚肉やアルコールが入っていないものです。

食べ物に関しては、信心深いムスリムは、ハラール認証を取得しているレストランのみを利用するでしょう。

全世界のイスラム教徒(ムスリム)は、豚肉やお酒を食すことが、禁じられています。ムスリムにとって、ハラールの食品のみを口にすることは神の教えに忠実に従うということで、強い信仰心からきています。

しかしながら、食に関するハラールについては、国や地域、慣習、或いは、個人の考え方により差があります。

ハラール認証を取得しているレストランしか利用しない人もいれば、ハラール認証されていないレストランを利用する人もいるということです。

全世界のイスラム教徒(ムスリム)は、豚肉やお酒を食すことが、禁じられています。

ムスリムにとって、ハラールの食品のみを口にすることは神の教えに忠実に従うということで、強い信仰心からきています。

では、ここから、あなたが普段、疑問に思っていることを書いていきたいと思います。

なぜハラール認証が必要になってきたの?

なぜハラール認証が必要になってきたのでしょうか?

この「ハラール認証」マークが目につくようになったのは、ムスリムの訪日観光客が増えてきたことと関係があります。

イスラム教徒が多いマレーシアやインドネシアなどの国の観光ビザが免除されたり、イスラム教徒の割合が比較的多く、経済発展が著しい新興国、インドやパキスタン、バングラデシュなどから観光に訪れる人が多くなったからです。

ムスリムの方たちが、日本のレストランや食料品店、スーパーなどを利用するときは、ハラールなのかハラームなのか判断に苦しみます。

原材料だけなら、ハラールやハラームの区別はできますが、スーパーで売っている加工品の場合にどんな成分からできているのか見当がつきません。

なぜなら、豚肉やお酒という目にすることができる食べ物ばかりでなく、目で確認できないラード(豚脂)やアルコール入りの食品も日本では、たくさんあります。

日本人だったら、食品に含まれている含有成分などは、確認することができますが、外国人の場合は、日本語が読めないので確認できませんね。

また日本の飲食店を利用するときも、豚肉、ラード、アルコールなどを使用していないお店を探すのは、かなり困難になります。

ムスリムの訪日観光客にとって、スーパーでの食材選びやレストランでの注文において不便な状況をなくすように作られているのが、ハラール認証です。

宗教家とハラル認証機関が、ハラールかどうかの検査をしてハラール性を保証するのが「ハラール認証」という制度です。

日本のハラール認証機関は?

日本では、30以上のハラール認証機関があります。統一基準はなく各機関の法人格や団体もバラバラで認証取得にかかる費用もそれぞれ異なります

許認可も届出も必要がないので、誰でも始められる状況です。

ハラール認証を取得するには、時間とお金が必要ですが、有効期限があり、更新費用が必要になるなど、いろいろと問題があります。

東南アジア、アメリカ、EU、ブラジル、オーストラリアなどもハラル認証制度をスタートさせ、現在、世界中には、300以上あると言われています。

そしてその認証を受けたマークも国や地域により様々です。世界的に統一された※ISOのような認証マークは今のところ存在していません。

※ISOとは、国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準のこと

ハラール認証を取得するメリットは?

イスラム諸国への輸出特に食肉に関しては、輸出先が認めるハラール認証を取得する必要があります。輸出先によっては必ずしもハラール認証を必要としませんが、ハラール認証を受けた商品はイスラム諸国に輸出する際には有利です。

サウジアラビアのスーパーで売られているハラール認証付きの食品を我が家の台所で探してみたところ以下の3点が見つかりました。

タイ王国で製造されている三井物産の「ぼたん」という名前のツナ缶がサウジのスーパーで売られていました。

筆者は、このツナ缶のハラール認証マークを、探しましたが、見当たりませんでした。商品が肉でなく魚なので、ハラール認証が必要ではないようです。そのかわり、「※NON GMO」のマークがありました。

ツナ缶のNON GMOマーク

※NON GMOとは、遺伝子組み換えをしていない食品を意味します。

 

イスラム国家インドネシア産のインスタントラーメンは、サウジで製造されているので、ハラールマークは、ついていませんでしたが、品質を評価するサウジアラビアの「※SASO」がついていました。インスタントラーメンについているマークSASO

インスタントラーメンのケースの画像

※SASOとは、サウジアラビアにおける原材料と製品の品質管理対策であり、品質の検証や法律、品質マーク等、サウジの国家規格として発行されたものです。

最後の3つ目は、インドネシア産のえびせん、サウジでは、「コロッボ」と呼ばれています。これは、原産国で作られている輸入品なので、ハラール認証マークがついていました。

インドネシア産のえびせん

えびせんの箱の左下のマークが、ハラール認証マークです。小さくて良く見えないかもしれませんが( ̄人 ̄)ゴメン

以上、サウジアラビアに輸入されている食品にハラール認証がついているのは、確認できました。

このように、ハラール認証を取得しておくと、海外にも容易に輸出が可能になります。

ハラール認証を取得するまでの工程ってどんなかんじ?

ハラール認証と聞くと何やらむずかしいイメージがありますね。
実際、私たちが考えている程、簡単なものじゃないんです。
豚肉とアルコールが入っていなければいいんじゃないのと単純に考えてしまいますが、想像を超える細かい規定があります。

ハラール認証の工程は、簡潔に言うと「農場から食卓まで」という言葉に凝縮されます。

ハラール認証の監査は、製品の原材料が、消費者に届くまでの一連の工程に逐一監視の目が光っています。

ハラール認証は、食品だけでなく、製薬、医療、サプリメントの部門にも及びます

加工してしまうと、原料は、目にみえないものなので、どんな材料が使われているか不明だからです。化粧品などの原料も豚脂などを使ったりします。また髪をとかすクシも豚毛を原料にしている場合もありますね。

では、ここで店頭に並んでいる肉のハラール認証とハラール認証を取得した飲食店は、どのような検査の工程をとるのか、考察してみることにします。

ここでは、羊を例にとります。

羊肉がハラール認証を得るまでの工程は?

羊が飼育されているエサが、ハラールなのかどうかから始まります。
どんな餌を食べているのか、放し飼いで飼われているのかどうかなど検証します。

この大きくなった羊が、いよいよと畜されるときがきました。

この羊を処理する人は、必ずムスリムでなければいけません。

動物の首にナイフを入れるときに、必ず唱えるべき文言があります。「ビスミッラー匕ル・アルラハマーニル・アルラヒーム=慈悲あまねく慈悲深き神のみ名によって」と唱えます。

それから、その肉を処理して、輸送します。その際にも、輸送するコンテナには、豚肉などを一緒に入れてはいけません

このような過程を経て、羊肉のハラール認証が獲得できるのです。

まさに、赤ちゃん羊肉のエサから、大きくなりと畜され、コンテナで輸送されるまで、徹底的なハラールの条件がたくさんありましたね。

では、今度は、飲食店のハラール認証の取得を見てみましょう。

飲食店がハラール認証を取得するには?

飲食店に肉が届きました。いよいよ調理する段階ですが、ここでもいろいろな規定があります。

まな板、包丁、鍋、食器、オーブンなどすべての羊肉を処理する台所の調理器具は、豚肉を扱っていないものに限られます

飲食店が、ハラール認証を取得するためには、上に述べた条件が整っていて、更に、調理人がムスリムでなければなりません。

それに加えて、アルコール飲料も置いてはいけません

以上の条件が整ったレストランや飲食店がハラール認証を受けることができるのです。

また、店のオーナーもムスリムというのが、理想なのですが、日本では、この条件をすべて満たすことは、なかなかむずかしいでしょう。

調理人が、ムスリムでない場合は、少なくてもそのお店の中で最低ひとりは、ハラール認証についての講習を受けなければなりません。

終わりに

このように、非常に厳しい監査に合格することにより、ムスリム訪日観光客が、安心して食事ができ、満足したサービスを受けられるということになり、日本人の得意とするおもてなしができます。

それが、ひいては、訪日観光客の受け皿を広げて、たくさんのムスリム観光客が訪れることになるでしょう。

それによって、日本の観光産業の促進に貢献することになります。

ハラールフードは、なにも特別なものではありません。簡潔に言うと豚肉とアルコールが入っていない食べ物ということになります。

ハラール認証を受けた飲食店は、まな板、包丁、鍋、食器、オーブンなどすべて、食品を処理する台所の調理器具は、豚肉を扱っていないものに限られます。また調理人がムスリムで、お酒が提供されていないお店ということになります。

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