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中東、サウジアラビアの文化習慣、ワーホリなど海外での異文化体験を書いています。

サウジアラビアで開催 第三章ダカールラリー|世界一過酷なモータースポーツとはなぜ?

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ルブアルハリ砂漠のけしき
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サウジアラビア在住35年以上。孫沢山のアラカンです。アフターコロナの観光に最適。コロナ感染者は、99%減少。今まで観光ビザが発給されてこなかったので、未だに世界に知られていない世界遺産が6つあります。ただ観光地としての認知度が低いので、旅行するには、ちょっと気が引けるという方のサポートをしています。
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ダカールラリー」ってご存知でしょうか?
F1(フォーミュラ1=Formula One)の「モナコグランプリ」や「ルマン24時間レース」「インディ500 (Indy 500)」などの世界三大レースと違い知名度は、低いですが、世界一過酷なスポーツ競技と言われています。

ダカールラリーは、日本では「パリダカ」などと呼ばれています。

このパリダカが、2020年に中東サウジアラビアで開催されました。向こう5年間のダカールラリーの開催がサウジアラビアを含めた中東アラブ諸国で約束されています。

「パリダカ」と聞くと砂漠をただ走るクロスカントリーじゃないかと簡単に考えてしまいますが、実はこの競技は、いろいろな条件をクリアしながら、走らなければならないのです。地平線にどこまでも続く広い砂漠の中をカーナビなしで走るので、道に迷うリスクもあります。

延々と続く砂丘や岩石のある砂地、砂嵐がくると視界がさえぎられるリスク、砂のわだちに足をとられるリスク、そのためにバランスをこわして転倒するリスクなど。

また”フェシフェシ”と呼ばれる細かいパウダー状の砂が堆積した道などを走るときは、ダストで視界がみえなくなり、障害物を避けられない危険性もあります。

このように、私たちの想像以上のリスクのある自然環境の中を長時間かけて走らなければならないラリーレイドなのです。

12日間の全走行距離は、約8000キロメートル前後で、rest day(休息日)を入れて13日間かけて走りますが、途中で棄権する車は、平均すると半分以上にもなる過酷なスポーツです。

実際に動画をみてもらえばわかりますが、砂漠を時速100~200キロ以上のスピードで走るので、一歩間違えば死と隣合わせのスリリングなスポーツでもあります。

この動画は、ラリー六日目のハーイルとリヤド間のステージの場面です。いろいろな車種が走っているのがわかります。スピードを出しすぎてスリップしたのか、ハンドル操作をかわすことができずに転倒、クラッシュ。幸い命は、助かりました。最後の動画の場面では、車が急な斜面を登り切れずに、観戦していた地元の人たちに車体を押してもらう温かい場面もあります。

https://youtu.be/TTG1qs8olf8

事実、2020年のダカールラリーでは、ラリー7日目のリヤドとワディ・アル・ダワシールのステージでは、ベテランの選手が帰らぬ人となってしまいました。

観客席があるサーキットで行われる周回競技は、スポーツをみんなで観戦できますが、このダカールラリーは、一般道路の他に砂漠や砂丘、岩場の道などの公道ではない道を走るので設営された観客席はほとんどありません。しかしながら、観客はコースを間近で見ることができるので、熱心なファンは観戦ポイントに出向いていくことができます。

F1(フォーミュラ1)の場合は、スピードを競うスポーツで観客もスリルを感じながら熱狂できますが、このダカールラリーは、ほとんどの観客が実際に競技を観戦することができないという側面があります。

それが、このダカールラリーの認知度や人気度が低い理由かもしれません。

しかし、実際に動画で目にしてみると、かなりのスリルと冒険のあるモータースポーツだということがわかるでしょう。

この記事では、なぜダカールラリーが世界一過酷なモータースポーツなのかを解明していきます。

それと、2020年1月5日から1月17日までの間、サウジアラビアで行われたダカールラリーについて説明しています。

またダカールラリー第43回目2021年1月3日から1月15日に開催される走行コースなども紹介しています。

ダカールラリーは、誰が始めたの?|ダカールラリーの名前の由来は?

ダカールラリーは、誰が始めたのか?

ダカールラリーは、リビアの砂漠で道に迷ったラリーレイド参加者のフランス人が発案

フランス人ティエリー・サビーヌは、1977年の※アビジャン・ニースラリーにスクーターで参加していたリビアの砂漠で道に迷ってしまいましたが、無事に主催者側の捜査ヘリコプターに救出されました。

この時のサバイバル体験のスリリングな魅力と砂漠の景観の魅力にとりつかれたティエリーサビーヌは、この体験を多くの人に味わってもらおうと決めたのです。

このようないきさつから、ダカールラリーは、フランス人ティエリー・サビーヌが発案して1978年から毎年1月に開催されているラリーレイド競技大会(クロスカントリー)です。

アビジャン・ニースラリーとは、西アフリカ・コートジボアールの首都アビジャンからサハラ砂漠を縦断し、北アフリカ・チュニジアの首都チュニスから地中海を渡り、南フランスのニースをゴールにするというものでトラック、クルマ、バイク、バギー、スクーターなどどんな車両でも参加が可能なラリーレイド。

パリダカの名前の由来は?

パリダカの名前の由来は?

アフリカの砂漠に魅了されたティエリー・サビーヌは、ラリーレイド競技大会の最初のルートヨーロッパからスタートし、海を渡り、アフリカ大陸に入りアルジェリアを通過して、サハラ砂漠の南部ニジェール世界文化遺産の街アガデスを横切って最終的に西アフリカのセネガルの首都ダカールで終わるルートを考え出しました。

このアフリカ時代のダカールラリーは、1978年の12月から2008年の1月(アフリカの治安悪化で中止)まで30年間行われてきました。

この時代のダカールラリーは、出発地点がほとんどフランスのパリを始めとしたフランス国内からでした。

それ以外の国の出発点といえば、スペインのバルセロナやポルトガルのリスボンなど。

到着地点は、ほとんどがダカールでした。

ダカール以外では、一回だけですが、2000年のダカールラリーでは、エジプトのカイロや2003年のシャルムエルシェイクと1992年の南アフリカのケープタウンになったことが、あります。

このように、アフリカ時代のラリーレイドは、フランスのパリとダカールを結ぶルートがほとんどだったので、日本では、パリダカなどと呼ばれています。

南米やサウジアラビアでのラリーレイドもなぜダカールラリーなのか?

パリダカは、アフリカ大陸時代の後は、南米に移動しました。

2009年から2018年までの10年間ラリーレイドは、南米大陸で行われました。

しかし、アフリカ大陸時代のラリーレイドコース「パリ~ダカール」の伝統を受け継ぎ、また砂漠を走る世界一過酷なモータースポーツにふさわしい名前としてダカールラリーと名付けられています。

サウジアラビアでの第一回目と第二回目のダカールラリーのコースは?

サウジアラビアでは、南米大陸のラリーと違いアンデス山脈のような標高が高いコースはありませんが、砂漠が多いのが特徴です。

上の動画は、サウジアラビアの第一回目のダカール・ラリーのハイライトを集めたものです。

世界文化遺産のあるアルウラを通過しているので、雄大な自然をバックに砂漠を疾走する四輪やオートバイの迫力あるモーションを楽しめます。

サウジアラビアでの第一回目ダカールラリーコース

first-saudi-dakar-rally-course

 

サウジアラビアの第一回目ダカールラリーコース(2020/01/05~2020/01/17)は、以下の通りです。

 

上の図は、グーグルマップをお借りして、第一回目のラリーの12回のステージを参考にして筆者が、作ったので正確さは、保証できません。

より正確なコースを知りたい場合は、下のサイトを参照してください。
↓ ↓ ↓ ↓

ダカール・ラリー | モータースポーツ | J SPORTS【公式】
https://www.jsports.co.jp/motor/dakar/

 

上のサイトでは、オンデマンドでの2021年ダカールラリーの新ルートに関しての番組表が載っています。

午後7:30からJsports3のオンデマンドで視聴できます。

初回ダカールラリー2021始動!新ルートはどうなる?

 

ダカールラリーは、第一章アフリカ大陸時代、第二章南米大陸時代を経て、第三章は、中東に移動しました。

第一回目ダカールラリーは、2020年1月5日から1月17日までサウジアラビアで開催されました。

第一回目のダカールラリーのコースは?

全長7855キロメートルのコースは12ステージに分けられていました。休息日(rest day)は、リヤドでの滞在となります。

イスラム教徒のメッカへの巡礼のための玄関口であるサウジ西部の都市ジェッダを出発して紺碧の海、紅海沿岸部(サウジの西海岸)を北上しヨルダンに近いタブークのネオムを目指しそこで迂回してまたネオムにもどり、そこから南下し、世界文化遺産のあるアルウラを通過し、ハーイルに向かい、サウジ中央部の首都リヤドに下ります。リヤドからさらに南西のワディ・アル・ダワシールに向かいます。サウジで一番美しい砂漠と言われている「ルブアルハリ砂漠」が広がっています。ワディ・アル・ダワシールを迂回して、今度は、北西にかじをとり、ハラドにむかいます。更にハラドからシュバイタに向かい、そこから北上し迂回してハラドにもどり、リヤド近郊のキッディアが最終地点です。

第一回目のダカール・ラリーの12ステージの内訳

1.2020/01/05 ジェッダ~ アル・ワジ
2.2020/01/06 アル・ワジ ~ネオム
3.2020/01/07 ネオム ~ネオム
4.2020/01/08 ネオム ~アル・ウラ
5.2020/01/09 アル・ウラ ~ハーイル
6.2020/01/10 ハーイル ~ リヤド
Rest day2020/01/11リヤド
7.2020/01/12 リヤド ~ワディ・アル・ダワシール
8.2020/01/13 ワディ・アル・ダワシール ~ワディ・アル・ダワシール
9.2020/01/14 ワディ・アル・ダワシール ~ハラド
10.2020/01/15 ハラド  ~シュバイタ
11.2020/01/16 シュバイタ  ~ハラド
12.2020/01/17 ハラド  ~キッディア

第一回ダカールラリーの優勝者と優勝マシンは?

優勝クルーは、ドライバーでスペインのカルロス・サインツでナビゲーターは、スペインのルーカス・クルス

優勝マシンは、X-raidミニ・ジョン・クーパー・ワークス・バギー(X-raidミニJCWバギー)。

サウジアラビアの第二回目ダカールラリーの予定コースは?

サウジアラビアで第二回目ダカールラリーコースは、以下の地図を参考にしてください。

2021-saudi-dakar-rally-course

 

2021年のダカール・ラリーのロードブックは、コースの当日に渡されることになりました。今までは、前日に渡していましたが、2021年より、変更となります。

このことは、走行コースの予習を前もってできなくなったので、本番のレースでは、運転技術だけではなく、ロードブックに書かれた内容を的確に読み取り目的地のルートを見つけていく力(ナビゲーション能力)が必要になります。

上のコースの図は、大まかな流れだけです。ラリーの中間点の休日(rest day)は、ハイルです。ラリーのステージなどの詳細は、ダカールラリーの当日に発表されます。

引用元を参考に筆者が、マップに印をつけたので正確さを保証するものではありません。

正確な地図をご希望の場合は、こちらのサイトを参照してください。

↓ ↓ ↓ ↓

https://bit.ly/37LARBK

第二回目ダカールラリーは、2021年1月3日から1月15日に開催される予定です。(この記事は2020年6月記載)

出発点は、第一回目のダカールラリーと同じ世界のイスラム教徒の巡礼者のメッカへの玄関口であるジェッダで、終着点もジェッダになっています。

ラリーの中間地点のハーイルがRest Day(レストデイ)休息日になります。

ライダーたちの試合で疲れた体をマッサージしてもらったり、車の点検、修理など思い思いに休日を過ごします。

また、ダカールラリー第二回目開催後は、このブログで試合の結果やラリーのハイライトなどを紹介したいと思います。

サウジアラビアでのダカールラリー第一回目と第二回目の違いは?

運転技術だけではなく、ナビゲーション能力も試される試合とは?

第一回目のラリーまでは、試合前日にロードブックが渡されていたために、当日までに走るルートを予習しておくことができました。

しかし、ダカールラリー第二回目は、新しいロードブック規則により、選手はスタートの数分前までコースを知らされずにスタートを切ることになりました。

それは未知のコースの目的地までの「経路」や「道順」を確認しながら運転しなければならないという重荷が課せられました。運転技術だけではなく、同時にマップを見ながら走るナビゲーション能力も試される試合になっています。

第一回目と第二回目のラリーのコースは同じなの?

ダカールラリーの競技では、毎回走るコースは、まったく同じものではありません。 経由地やルートは毎年変更されます。

第一回目は、ジェッダを出発し、紅海沿岸部を北上タブークのネオムから世界遺産のあるアルウラを通過しハーイルに向かいました。そこからリヤドを通過し南西にジグザグに舵(かじ)をとりワディ・アル・ダワシールに向かいました。そこから今度も、ジグザクにサウジ東海岸のハラドやシュバイタに向かい、リヤド近郊のキッディアが終点になっていました。

第一回目は、以上のように、サウジアラビアの東西、南北を縦横無尽に走りましたが、第二回目は、サウジの西海岸と中央部を楕円形に走るようなコースになっています。

サウジアラビアでのラリーの特徴とは?

サウジアラビアでのラリーの特徴は、南米大陸のアンデス山脈のような標高が高いコースは、あまりありません。

またサウジアラビアの1月は、非常に快適な季節です。湿度も低く、気温も最高気温で40度以上になることは、めったにありません。

アラビア半島の砂漠の中で一番美しいと言われているオマーンやサウジアラビア、アラブ首長国連邦にまたがるルブアルハリ砂漠の素晴らしい景観が広がります。

下の動画は、オートバイのライダーにフォーカスして撮影しているとても砂漠の景色が美しくとれている動画です。是非、砂漠の美しさといかに砂漠の中を走ることが困難なものなのかを体験してみてください。

なぜダカールラリーは、世界一過酷なモータースポーツといえるのか?

砂漠から泥地、山岳地帯まであらゆる路面を走破して競い合う「ラリーレイド」と呼ばれる競技は、いろいろありますが、このダカールラリーは、それらの中で一番厳しいモータースポーツと言われています。

ここでは、ダカールラリーについて深堀していき、その全体像から過酷なモータースポーツのすごさを洗い出していきたいと思います。

ダカールラリーは、どんな車が参加できるの?

ダカールラリーに参加できる車種は、問いません。

四輪(電気自動車含む)、二輪、トラック、クワッド(四輪バギー)、SSV(サイド・バイ・サイド・ビークル=多用途四輪車)など

サウジアラビアの第一回ダカールラリーでは、全カテゴリー総勢342台が挑戦しました。(四輪は83台)

ダカールラリーに参加する条件は?

ダカールラリーに参加できる条件は、以下の通りです。

  • 国籍、性別は問わない
  • 年齢が18歳以上
  • FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が発給するFIMクロスカントリーラリーライセンスが必要
  • 参加車両を運転することができる運転免許証を持っていること

ダカールラリーの勝敗はどうなっているの?

ダカールラリーの勝敗は、いろんな種類の車種が競い合っているので、そのカテゴリーごとに勝敗が決められます

勝敗は、ロードブックを頼りに主催者が決めたルートを走破し、反則条件を回避しながら、ラリー中の競技区間の累積走行時間を競うものです。累積走行時間の一番短い人が優勝を勝ち取ることができるのです。

ダカールラリーのコースは誰が決めるの?

ダカールラリーのコースは、ダカールラリーの生みの親ティエリー・サビーヌが、生前決めていましたが、彼の亡き後は、ダカールラリーの経験があるルネ・メッジやユベール・オリオールなど参加経験者によって行われています。

ダカールラリーの走るコースってどうなっているの?

毎日のコースは、ビバークを出発し、競技区間(SS=セレクティブセクター)+リエゾン(移動区間)+競技区間(SS)となっていて一日の競技の終わりは、ビバークに到着となります。

そして、全コース中に一回か、二回のマラソンステージが設けられています。

ビバークとは、ラリーのキャンプ地で、次の日の競技に備え、車の整備や食事、打ち合わせなどを行ない、戦いのためのエネルギーを補給する生活の場でもあります。

ビバーク内での制限速度は時速20kmで、危険な運転はもちろん禁止されるほか、参加者が食事をするケータリングエリア内にバイク、クワッドで乗り付けることも禁止されています。

競技区間(SS)では制限速度のない競技を行う区間のことです。SSのトータルタイムの一番少ない選手ステージ優勝となります。

ステージとは、一日の走る工程のことです。つまり、ビバークとビバークの間の工程を指しています。

リエゾン(移動区間)とは、キャンプ地から競技区間(SS)までの一般道を通るコースのことをいいます。

二日にわたるマラソンステージでは、外部のサポートが受けられないので、タイヤ交換などの軽い整備は、自分でやることはできますが、車がひどく傷んでいるときには(エンジン交換が必要など)リタイヤせざるを得なくなります。

マラソンステージについて、ウィキペディアで詳しい説明があったので紹介します。

競技車が到着後、通常はその日のビバーク地で行う事が出来る整備を一部禁じ(具体的にはエンジン、駆動系などの部品交換が禁止される)、そのまま翌日のステージを走行するものである。2日にわたるステージをタイヤ交換などの軽整備のみで乗り切らなければならないため、ステージ内でのエンジンや駆動系の深刻なトラブルは即リタイヤに繋がる。そのため、車両を壊さないように労わりながらも速く走らなければならないという、2つの相反する要素が求められるステージとなっている。

引用元:ウィキペディア ダカールラリー

ダカールラリーで走行する上でのルールとは?

ダカールラリーでは、ただ単に目的地に向かって走るだけではありません。

そこには、いろいろな反則条件が規定されていますから、それを回避しながら走らなければならないのです。

それは、どんな規則なのでしょうか?

競技区間に入る前の移動区間(リエゾン区間)では、速度制限があり、違反すると失格になる

リエゾン区間(移動区間)では、一般道の制限速度を守り走行することが求められます。

また、セレクティブセクター(競技区間=SS)の中でも、人家のある村や危険な箇所を通る場合に、ロードブックに制限速度が指定されています。その場合も、速度制限を守ることがマストになります。ラリー中に、※3つの異なるエリアで速度違反を犯すと、最大で失格を含む厳しいペナルティーが科せられます。

※3つの異なるエリアでの速度違反とは、リエゾン(移動区間)と競技区間とビバーク内での速度違反のこと

カーナビは、使うことができない

目的地に行くには、カーナビを使ってはいけません。あらかじめ道順案内のロードブックが渡されます。

コースを間違えば、走行時間が余計にかかるばかりか、大きく道順を外してしまうと燃料が足りなくなる可能性もあります。速いペースとミスのないナビゲーション能力がなければ優勝を勝ち取ることができません。

タイムペナルティが課せられる走行中のチェックポイントやウェイポイントがある

  • ウエイポイントエクリプス(WPE)

ロードブックに記載されている通過点。座標の記載はなく、ルート上に順番に現れるウエイポイント。通過を確認するためには、ライダーはその座標位置の200m以内を通過する必要があります。スペシャルステージのスタート地点はWPEとなります。また、スピードコントロールゾーンの開始地点と終了地点がWPEとなる場合、ライダーは座標点から半径90m以内を通過する必要があります。

  • ウエイポイントマスク(WPM)

隠されたウエイポイントです。スペシャルステージのフィニッシュ地点はWPMとなります。車両に搭載されるGPSのモニターは、WPMの800m以内に接近した場合、WPMの情報を表示し、通過を確認するためには座標点から200m以内を通過する必要があります。

  • ウエイポイントセーフティー(WPS)

ラリー走行コースに鉄道、ガス、石油のパイプライン、道路の交差点などの危険箇所に設けられたウエイポイントです。WPSの800m以内に接近するとGSPモニターにその情報を表示し、ライダーは座標点の90m以内を通過する必要があります。

  • ウエイポイントヴィジブル(WPV)

視認できるウエイポイントです。※ビバークのスタート、フィニッシュのチェックポイントなどを指します。

市販車カテゴリーにおいては、厳格な車両規則により改造できる範囲が限定される

ダカールラリー競技の勝ち負けは、全工程の走行距離をどのくらいの時間で走ったのかにより決まる(車種により区分けされるが)ので、できるだけ早く走る車を所有すれば勝敗に有利になります。なので、最近はよりスピードを上げられるように、車体も軽くなるような改造が行われてきましたが、車両規制があって改造できる範囲は、限定されています。

ダカール・ラリーがなぜ過酷なスポーツなのかの結論とパリダカ生みの親の熱いメッセージとは?

いままで、ダカールラリーの特徴について、いろいろと説明してきました。動画で見て頂けば、いかに砂の上を走るのがとても難しいのかがよくわかったのではないでしょうか。

曲線の美しい砂丘を見ていると、あたかもオートバイに乗ったライダーが冬の雪のゲレンデをすべっているような錯覚にとらわれます。

しかし、雪の上をすべるようにすいすいとは、うまく走ることができないのです。

そこは、砂漠で一歩まちがえば、足をすくわれて転倒してしまいます。車輪が砂にのめり込み、へたをすると砂の急斜面では、車体が転倒してしまいます。

砂煙(すなけむり)で視界がさえぎられることもあります。運悪くスリップしたり、ワダチに足をすくわれると100キロ以上のスピードで走行している車だとバランスを崩して転倒するリスクもあります。

また、平坦な砂漠だけではなく、傾斜のきつい砂丘が延々と続く砂漠や、岩や凹凸のある砂利道と様々な困難な道を通過して、毎日500キロ~ 800キロの長距離を忍耐強く運転しなければいけないのです。まさに、運転技術だけではなく、体力、忍耐力、精神力、戦略などの総合的な能力が備わっていなければ13日間に及ぶ競技を完走することはできないでしょう。

参加車両の半分以上は、完走することができません

参加車両の半分以上は、完走することができません。

実に、このことが、ダカール・ラリーの難しさを如実(にょじつ)に物語っています。

2020年のサウジアラビアでの第一回目のダカールラリーで有望視されていた元F1のチャンピオンだったアロンソは、砂煙(すなけむり)で視界がさえぎられ、2日目に大きなタイムロスをしました。砂煙(すなけむり)のなかで視界を失ったようで、岩か何かの障害物にあたり車体を傷めたようです。車の修復に長い時間を費やしたために、四輪総合47位へと後退してしまいました。

このように、13日間の長い工程のなかでは、どんなアクシデントが待ち受けているのか予想がつかない砂漠の自然環境が存在しています。

また、走行中のチェックポイントやウェイポイントをまちがうと、タイムペナルティーが課せられますから、ナビゲーション能力(地図を見ながら目的地に到着できる能力)も必要になります。またリエゾンや競技区間、ビバークでの速度違反にも気をつけなければなりません。

このように、13日間の約8000キロのラリーレイド中にも、いろいろと守るべき規定があるので、それをじゅん守しながらラリーを完走しなければならないのです。

 ダカール・ラリーの出場者全員の認識は「すべての完走者が勝者である」

ダカール・ラリーの出場者全員の認識は、「すべての完走者が勝者である」

つまり、この言葉は、ダカール・ラリーの競技で完走するということがどれ程むずかしいものであるかを物語っているのです。

ビクトリーランとは?

ラリー最終日のレースは、「ビクトリーラン」と呼ばれています。勝手に意訳すると「栄光の最後のステージ」ということでしょうか。

脱線しますが、この「ビクトリーラン」と言うゲームが、日本で、1987年12月28日にPCエンジン初のレースゲームとして発売されていました。サブタイトルは、「栄光の13,000キロ」とつけられています。

パリダカ生みの親、ティエリー・サビーヌの有名な言葉

最後にこのような過酷なダカール・ラリーを生み出したパリダカの生みの親であるティエリー・サビーヌの言葉を紹介します。確かに彼、ティエリーは、ダカール・ラリーがキケンなものだと自負していますね。彼自身も砂漠で迷子になり、捜索ヘリコプターに助けられた経験があるから、なおさらですね。

私にできるのは、“冒険の扉”を示すこと。扉の向こうには、危険が待っている。扉を開くのは君だ。望むなら連れて行こう

追記

ダカール・ラリーの動画を見ていると、オートバイのライダーのゼッケンが黄色の下地に番号が書かれているのと、白い下地に番号が書かれているのがあると気がついたと思います。

それは、ライダーによりクラス分けされているからです。

メーカーなどと契約しているプロフェッショナルライダーと実績のあるアマチュアライダーは、黄色のゼッケンで、それ以外のライダーは、白のゼッケンです。

表にまとめてみると以下のようになります。

A.S.O.エリートライダー A.S.O.エリートライダー以外
グループ1(黄色のゼッケン) プロフェッショナルライダー(メーカーなどと契約している) アマチュアで過去に良い成績を収めた選手が主催者側により選出される
グループ2(のゼッケン) エリートライダー以外に属するプロフェッショナルグループ アマチュアで主催者に選出されなかったグループ
車両クラス分けによるマーク (SP)スーパープロダクションクラス (M)マラソンクラス

 

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